14: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:21:14.77 ID:EnRHzSex0
「では、仮にその話を信じるとしましょう。願いを叶えてくれるのですか」
「はい。とは申しましても、叶えるのは、わたくしではないのですけれど」
「あなたではないのですか?この部屋には、あなたしか居ないようですが」
「ああ。それは、こちらにパソコンがありますので。送信して、叶えます」
「送信先は、神様です。神様も多忙ですから。自動で叶えてくれるのです」
「神様は報告書だけお読みになって、人の幸せを願い続けているのですよ」
「ちなみに、願いは願ったその日を起点に叶えてくれますので、ご安心を」
「世界は一つですから。二つ作れるなら、その日以外も起点にできますが」
ずいぶんと俗な神様だ。電子機器まで使って、願いを叶えてくれるとは。
「コーヒーいかがですか」と彼が差し出してくれたそれを、僕は飲んだ。
「ええと、状況がいまいち掴めないので、願いと言われても。思いつきません」
「この部屋の目的は、何ですか。ただ願いを叶えるだけでは、フェアじゃない」
「目的。すごく現実的なのですが、単純に『信仰』と言ったところになります」
彼の話を要約すると、過去と比較して信仰とやらが薄れてきているらしい。
故に、神様がこうして人を集め、奇跡を与え、神を信仰させているとの事。
神様も楽な仕事ではないらしい。どうやら、地道な営業の上にあるようだ。
「そして。わたくし共のメリットとしては、一生のお願いをいただける事」
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