15: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:21:51.12 ID:EnRHzSex0
「一生ですから、一生を賭けるに値する神様へのお願いです。つまり信仰」
「神様を信じるからこそ、願うのです。これは、神様にとって有益なので」
「というわけで、内容につきましては、双方とも非常にフェアなのですよ」
残念な事に、彼は手元のマニュアルをちらちらと見ながら話をしていた。
「ああ。でも、本当なんです。信じてください」彼はすごく慌てていた。
非現実の中ながら、内容は確かに現実味があり、とてもフェアと言える。
「お話は判りました。『この部屋から出してほしい』と願えばどうですか」
「申し訳ありません。それはよく尋ねられますが、それはできないのです」
「と言うのも、お客様の一生分のお願いですから。対価に見合わないので」
なるほど。僕は納得した。一生を賭けて「ここを出たい」と願うのは、嫌だ。
願い。願いか。僕は記憶を辿ってみて、一つ、とある願いを思い出していた。
「一つあるかもしれません。お願いが」
「本当ですか。ありがとうございます」
「やった」と心から喜んでいるようである彼を隣に、具体的に言葉にしてみた。
それを告げると、彼は一瞬で顔面蒼白になった。何ですって。彼は驚いていた。
彼はパソコンと顔を合わせ、言った。もう一度、願いを口頭にてお願いします。
「僕の『一生のお願い』は―――――」
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