44: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:37:37.16 ID:EnRHzSex0
僕が世界のルールを変えたのが、六月上旬。
「一日は一時間」の定義に則れば、かなりの月日が流れてしまった。
もう既に夏も終わり、冬も、最後の方に突入してしまう事となった。
その頃には、彼女と先生の尽力もあり、成績上位に食い込んでいた。
「わたしのおかげよ。感謝して。あ。ええと。だから。感謝よ感謝」
「うん。感謝してる。ありがとう。この恩はきっと忘れないと思う」
先生にも感謝を告げると「飯奢れ」と金銭が絡む要求をされてしまった。
僕は苦々しい顔で踵を返すしかなく、いずれ何らかの形で返そうと思う。
そしてすぐに春になり、僕は、ようやく二年生になっていた。
未だに、僕は、不幸になる手立てを掴めないでいた。困った。
困ってはいても、僕は、少しこの現実を受け入れ始めていた。
何故なら「一日が一時間」という定義以外に、変化がないからだった。
朝の朝礼と、最後の終礼で、合計一時間。そして、各授業で一時間ずつ。
合計七時間だ。つまり、一週間かけて、実際の一日の授業を終えるのだ。
それ以外に変化がない世界の中、僕は、心から幸せを実感していたのだ。
「お前ら。また、あたしのクラスだぞ。喜べよ。何で嬉しそうじゃねえんだよ」
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