7: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:17:20.62 ID:EnRHzSex0
そこには、僕の幼なじみの名前が表示されていた。
「幼なじみ」と彼女を形容するには、あまりふさわしくないかもしれない。
何故なら、彼女とは小学校低学年のときに、彼女の引越しで疎遠になった。
それでも僕が「幼なじみ」と呼ぶのは、恐らく。きっと、そうなのだろう。
その唯一の繋がりがなくなれば、僕は彼女との接点がなくなるから、だろう。
どこか、彼女の存在に固執している自分がいることに気付いた。
しばらく静かに考えよう、と思っても鳴り止む気配はなかった。
何かしら用事でもあるのだろうか。僕は、通話ボタンを押した。
「もしもし。久しぶり。元気にしてた?わたしは元気よ。とっても」
「そう。それは、よかった。僕は、あまり元気じゃないよ。じゃあ」
「どうせ、喧嘩でもしたんじゃないの。悪いのは、主には、あなた」
何というか、今までずっと隣にいたのではないか、と思うほどだった。
そして、歯に衣着せぬその言い方も、変わってはいないようであった。
そこで僕は気付いた。彼女の方から聞こえる音は、いったい何なのか。
「―――――変わったとしても」
「―――――きになる。絶対よ」
「―――――たとき、聞かせて」
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