過去ログ - ゲームは一日一時間
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84: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:03:30.52 ID:EnRHzSex0

そして、ようやく年明けだ。僕らの余命は、残り八十時間ほどだった。

彼女から年賀状が来ている。ああ、先生からもだ。ありがたいな。
僕もふたりに出したし、いい年になればいい、と楽観視していた。

実際、僕が受験する大学は、卒業式を終えてからだった。

なので、勉強する意味はなかったのだが、両親の教えで勉強していた。
男の約束もしたし。母のお願いも聞いている。幸せになってやるのだ。
願いが取り消されたら、それは「予習になるだろう」と思ったからだ。

時間の価値を知った今、ようやく、僕は人生の価値も知れた気がする。

このまま、僕は不幸せのまま人生を終える。少し怖い気がしている。
どちらにせよ、一度、死んでしまうことになる。死ぬのは怖かった。
しかし、そうしなければ現実は変わらない。このままではいけない。

「さて、勉強しないとな」

そうして日々、と言っても時間単位だが、勉強をしていればすぐだった。
勉強して、勉強して、勉強して。少し休憩して、コンビニ弁当を食べて。
たまに、母の料理の味を思い出して作ろうとはしてみたが、不味かった。

少し悲しくなって、僕は人の声が聞きたくなった。

年明けから迷惑だろうが、先生に電話してみることにした。
年賀状に番号が書いてあった。「困ったら」というように。

「もしもし。先生ですか」




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