148: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/01(日) 07:00:13.12 ID:GlcPGu06o
「今の君は、お客さんだ。だからおもねる必要はない」
そして、私を先導してくれたプロデューサーに目配せをする。すると、彼はにこりと笑い、そして私へ頭を下げ、そして階段の方へと行ってしまう。
人払いをさせた。と言う事は、今からきっと返事を聞かれることになるのだろう。
「……さて、本題だ。今一度、聞くよ」
社長は不敵に、にやりと笑う。そして、確認するように彼は問うた。
「改めて率直に言おう。私は君が欲しい。うちに来ないかね、Pくん?」
予想通りだったが、ただびっくりするほどストレートな言葉だった。失礼なことではあるが、ぶっ飛んだ印象をこの社長には抱いていた。
しかし、実際こうやって口説かれると、男色の趣味があるのか、と勘違いするほど奇策の欠片も存在しない、正面突破の正攻法である。
その言葉に凡人である私でさえ、いや凡人であるからこそ、心を揺さぶられる。人心を掌握する英傑、というのはこういう人物のことを言うのだ、と私は思った。
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