151: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/01(日) 07:02:59.85 ID:GlcPGu06o
「正直に言うと、私は君がとてつもないほど平凡な人材と思っている。だがね、感じたんだよ」
彼は手を大きく広げると、真っ直ぐなまなざしで私をじっと見てくる。思わず私は尋ね返した。
『感じた、とはなんです?』
「感じた、は感じた、だ。大よそ説明できない事なのだが、強いて言うなら第六感と言うやつかね。この平凡な人材は、有能で、私の会社に必要だ。そんな気がしたんだよ」
だから私は、君を引き抜きに掛かったんだ。彼はそう言った。
「私はこれまで、この勘に何度も助けられてきた。中には裏切られることもあったが、それを後悔したことはない。私は、私を信じているからね」
彼はそういうと、少しだけ苦笑する。
「ただ、君が必要だと私の勘がそう告げた。それが理由だ。本来ならばしっかり論理的な説明をすべきなのだが、今回ばかりはどうしてもできなかった。済まないな、Pくん」
『いえ、そんな……』
ここの所、驚きっぱなしだ。運命が捻じ曲げられたのか、と思うほど、私の周りに第六感が渦巻いている。それがいい事なのか、悪いことなのかは今の私にはわからない。
わからないが、少なくとも、私の平凡な人生が変わりつつある、と言う事は分かる。
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