205: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/14(土) 04:16:16.61 ID:rrrgeDjMo
『そう、かもしれないですね。あの社長がいたからこそ、今私はここに居ます。でも、あの社長に私は何も返せてない気がして……』
「大丈夫よ、Pさん」
私の言葉を遮るように、千秋さんはそんな言葉を私に掛ける。
「気づかなかったかしら。あなたの元社長さん、Pさんのことをまるで、我が子のように見てらっしゃったわよ?」
『社長が……?』
「ええ。そんなところは、鈍いのね、Pさん」
くすり、と千秋さんは笑った。なんだか、私よりも私のことを把握しているような気がして、思わず気恥ずかしさを感じる。
『そ、そろそろ時間ですよ、千秋さん』
相変らず意気地のない私は、誤魔化すように彼女を促す。実際、彼女の出番はもうすぐだから的外れと言うわけではない。
ただ、少しばかり不満げな表情になった千秋さんは、その場から動かず、私を見据える。
217Res/148.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。