61: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/11(日) 03:17:29.01 ID:fDDiOZLHo
(いや、正確には全く感動しなかったわけではないんだけど……。説明が、ええい、もうどうにでもなれ)
私は半ば自暴自棄になりながら、内心でそう叫び、そしていつも通り頭の中で整理をし始める。
確かに、彼女の声は凄まじい物だった。だが、感動はしなかった。この矛盾点をどうにかして説明しなければならない。
そうして、十秒ほど考え込んだ後、私はゆっくり口を開く。
『その、何というか……。変な例えで申し訳ないんですが』
じっと見据えてくる千秋さんの目が、どうにも怖く感じる。マスターはマスターで、興味津々、と言った様子で私を見据えてくる。
何とも居心地が悪いが、私は意を決して言葉を吐きだす。
『ものすごく透き通る声だったんですが、その、いかにも人為的な声というか』
「……どういう事かしら」
少し威圧的だった千秋さんの目が、途端に疑惑の視線へと姿を変える。ああ、怒っているな、と思った。当然だ、自分でも何を言っているのかちょっと分からなくなってきている。
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