11: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:03:32.81 ID:S/7JCsE90
という僕の予測は見事に当たってしまった。作業が進まない。
いざ余命が決まるともう一度目を通したい本が山ほどある。
「懐かしいな」からはじまり「進んでねえな」で終わった。
12: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:04:02.75 ID:S/7JCsE90
途中から紐を持って途中参戦した彼女は、中々に役立った。
一つ問題点があるとするならば、本を亀甲縛りで縛るところか。
一般雑誌から音楽からゲームまでが猥褻物に早変わりしていた。
13: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:04:30.87 ID:S/7JCsE90
三杯目からはそっと出しなんて言うが、彼女には通用しなかった。
四杯目も五杯目も嬉しそうに「おかわり!」と叫んで出す。
割とうるさい。作業に加え近所迷惑に拍車がかかっている。
14: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:05:03.22 ID:S/7JCsE90
「じゃ、わたし、寝るから。したくなったら風俗でも行って」
相思相愛であれど雰囲気は大切にしているのだろうか。
僕のベッドを占有してそそくさと寝に入ってしまった。
15: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:05:33.20 ID:S/7JCsE90
うだるような暑さに耐え切れず、僕は遠慮なくエアコンをつけた。
僕らはエアコンの直下を占領して、ただただ風に身を任せた。
あと三時間ほどで、余命は六日か。何しようかな。困ったな。
16: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:05:59.27 ID:S/7JCsE90
「ごちそうさま。相変わらず、美味しかった。いい主夫になる」
今結婚したとしても、結婚一周年どころか一週間も生きてはいない。
腹が膨れれば眠くなる。ソファで互いにうとうとしていたら時間だ。
17: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:06:24.66 ID:S/7JCsE90
143 : 52 : 19
18: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:07:02.97 ID:S/7JCsE90
「ただいま。お腹がすいた。お昼食べていないんだもの。お腹」
この街は狭いし、早々行く宛などないらしく、すぐに帰ってきた。
街の端から端まで往復しても三時間と少しくらいもかからないし。
19: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:07:54.05 ID:S/7JCsE90
「一番やりたいからこそ、あなたは、今それをしてる。どう?」
「そう、かも。そうだよ。僕は、君に食べてほしくて作ってた」
20: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:08:39.77 ID:S/7JCsE90
その後、僕は余命が六日を切りながらもゲームをしていた。
彼女はやはりと言った具合に「死ね」と連呼していた。
僕も割とゲーム中はがらが悪くなって本音が出ていた。
21: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:09:16.56 ID:S/7JCsE90
「ねえ、今度お祭りがあるそうよ。いつかしら。楽しみ」
「ああ。それって、僕が死ぬ当日じゃないか。残念だよ」
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