過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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271: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:53:12.50 ID:2PQsvWzg0
顔が熱くなるのを感じて思わず手を頬にやって撫で付ける。微笑んだままの由比ヶ浜を横目に俺は自転車を押して歩き

出す。遅れて彼女も後をついていく。……とりあえず頭に浮かんだ疑問をぶつけでもしないとやってられん。

「お前アホのくせになんでそんなこといちいち覚えてんだよ……」
以下略



272: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:55:51.24 ID:2PQsvWzg0
「何が」

「その……奉仕部の」

「まだ無理、だな…………」
以下略



273: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:59:19.02 ID:2PQsvWzg0
「いいよ、別に。……もう隠すつもりもないと思うよ。ゆきのんが――――」

以前にも同じような光景を見た気がする。由比ヶ浜が雪ノ下のことで何か言いかけてやめるところは。お前は優しいから

まだ言い切らないでくれるんだよな。中には意地悪にも言い切ってしまう奴もいるわけで。…………あまり彼女の優しさ
以下略



274: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:02:50.15 ID:2PQsvWzg0
由比ヶ浜は口をぽかんと開けてこちらを見ている。いや、そりゃそうだろうな。俺も数秒前までこんなこと言うつもり

じゃなかったし。顔を逸らしたくなって横を向いて返事を待っていると、彼女はにっこりと笑ってこう答える。

「今のところあいてるよ。だから…………絶対あけとく」
以下略



275: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:05:37.93 ID:2PQsvWzg0
「とりあえず今日はここまででいいよ」

隣のバス停に辿り着くと由比ヶ浜はくるっとこちらに振り返ってそう言った。”今日は”という言葉になにか含みがある

ような気がしてならないが、そこは藪蛇っぽいのでスルーすることにする。
以下略



276: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:08:17.83 ID:2PQsvWzg0
「別にそんなこと思ってないから気にするな。それに……ええっと……前にも言っただろ、俺の他人に対する印象なんて

そう簡単に変わらないって。だから、そういうこと言っても俺が特別に何か思うことはない」

「そ……そっか。……そっか。……うん、わかった」
以下略



277: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:11:36.60 ID:2PQsvWzg0
それからまた数日が過ぎ、あと二、三日で試験準備期間に迫ろうというのにまだ色々なことに答えを出せないまま、俺は

悶々とした思いを抱えつつ昼食のために教室を出た。今日は小春日和なので外で食べるのもそんなに苦にはならない筈だ。

ところで小春日和ってなんか人名みたいだな……あのNHKで季節の擬人化キャラが登場する昨今、そういうキャラが
以下略



278: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:14:33.67 ID:2PQsvWzg0
戸塚の話によると、今でも昼休みに時々テニスの練習をすることがあるそうなのだが、いつもペアを組んでいる部員が

休みということでこちらにお鉢が回ってきたらしい。特に断る理由もないし、何より戸塚のお願いということで、俺は

ホイホイついていってしまう。…………俺はゴキブリか何かか。自分をそんなものに喩えるなど卑屈もいいところだが
以下略



279: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:17:21.24 ID:2PQsvWzg0
「八幡…………大丈夫?」

「大丈夫だ……問題、ない。…………続けようぜ」

俺が返し損ねたボールを取りにラインの外に走り、戻ってくると戸塚が横についてきた。……なんで汗かいているのに
以下略



280: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:21:42.44 ID:2PQsvWzg0
それから戸塚の言われた通りに例の階段で座って外を眺めていると、不意に右頬に冷気が走る。

「ひっ!」

何が起こったのか、思わず振り返るとそこにはスポーツドリンクを手に持った戸塚彩加の姿があった。あぁ……そう
以下略



281: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:24:58.29 ID:2PQsvWzg0
俺の返答に戸塚は少し伏し目がちになった。”やっぱり”という単語に多少の引っ掛かりを覚える。俺が休んでいる間に

奉仕部に足でも運んだのだろうか?もし、そうなら悪いことをしてしまったな…………。そんなことを思っていたら

さらにキャッチしにくいボールが戸塚から飛んでくる。
以下略



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