4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/04(日) 18:23:57.29 ID:J9Yav5ZU0
◆
―――母のぬくもり 憶えている?―――
灰かぶりは王子様に見初められ 幸せに暮らしましたとさ めでたしめでたし
あれはおとぎばなし、誰もが笑う御伽噺。
子供の頃の私には、どこが幸せなのかがよく解りませんでした。
だってそうでしょう? 灰かぶりは舞踏会に出たかったのに、お話しでは一度しか踊れなかったんですから。
だから私は母に、灰かぶりではなく鬼のお話しをせがんでいました。
それは子守唄 子供の頃に何度も聴いた子守唄。
かつて世に鬼あり
鬼は踊る人形であった
かは豪華絢爛たる死の舞踏
鬼はそをもって、天を穿ち、海を砕き、地を血で満たした
武尊ものとも五十もの嵐とも戦った
誰もが鬼へとひれ伏した
ある日 鬼は踊る事を止めた
産めよ 育てよ 地に満ちよ
人形は母として 子供達の守り神となったのだ
私は鬼の話が大好きでした。
語り部となる母の姿はなんだか悔しそうで、でもちょっぴり誇らしげで。
ああ、母もまた鬼が大好きなんだなって 私はそう思いました。
63Res/110.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。