過去ログ - 千早「Brand New Day」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:32:26.77 ID:yKhvOO5V0
ひびちはSSです
SS自体は既に完成しています。文字数は約1万4500、それを39レス程に分割して投下する予定
それ程長くはないと思うので、最後まで読んで頂ければ幸いです
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:36:57.55 ID:yKhvOO5V0
『それが分からないから、未だそのランクに止まってんだよ』
遅々として上がらないランクに、思わず漏れてしまった弱音
それに対する、プロデューサーの答えとは言えない答えは、そんな言葉だった
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:37:32.11 ID:yKhvOO5V0
恐らく、もう一度聞いた処で同じ答えが帰って来るだろう
それも私を信頼しているから、何よりその"答えを知っている人"、とやらを信頼しているから、なのだろうが
手っ取り早く答えを教えて欲しいと、思わずにはいられなかった
「はぁ……」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:38:20.89 ID:yKhvOO5V0
それに…… 誰なのかしら
答えを知っている人っていうのは
「……」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:39:09.12 ID:yKhvOO5V0
「はいさーい! 千早」
ふと、自分の名前が呼ばれた
目をつぶり思案していたため姿を見たわけではないが
その明るい声と、特徴的な挨拶
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:39:48.62 ID:yKhvOO5V0
「……どーした? 千早? ボーっとして」
「ううん、なんでもない」
「いぬ美のお散歩かしら?」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:40:24.91 ID:yKhvOO5V0
それでも、私は話す事は出来なかった
「……ええ」
「……」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:41:04.22 ID:yKhvOO5V0
何処に行くの?
その言葉を言い終える前に、我那覇さんは私をベンチから引っ張り上げ
走り出した!
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:41:43.15 ID:yKhvOO5V0
走り始めて数分程、どうやら目的地に着いたらしい
「西根動物病院…… ?」
看板に書かれた文字を読み上げる
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:42:15.56 ID:yKhvOO5V0
昔は、そうだった
あの子と外を歩く時はよく、手を繋いでいた
何か興味を惹く物を見付けた時には、あの子は私の手を引っ張り走ったものだ
懐かしい、もう二度と会えない家族との思い出が、甦る
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:42:54.44 ID:yKhvOO5V0
「お待たせ! 千早!」
一分程モフモフしてただろうか、我那覇さんが帰ってきた
「おかえりなさい、我那覇さん」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:43:27.88 ID:yKhvOO5V0
「とうちゃ〜く」
数十メートル程歩き、我那覇さんはそう宣言した
恐らく、ここが目的地なのだろう、だが、ここは何の施設なのだろうか?
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:44:15.07 ID:yKhvOO5V0
高らかに宣言した我那覇さんは、私の背中を押し
「って!? 目的地ってここ!?」
「もっちろん!」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:44:50.20 ID:yKhvOO5V0
「へぇ…… ドッグランの芝生って柔らかのね」
サッカーグラウンドに足を踏み入れた事は無い私でも、公園の芝生ならば歩いた事が在る
だが、ここの芝生と公園に在る芝生はまるで違うモノだった
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:45:32.94 ID:yKhvOO5V0
ワケでは無かったらしい
前足を私の肩に乗せてきただけの様だ
まぁ、当たり前か
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:46:26.59 ID:yKhvOO5V0
「いぬ美ってフリスビーキャッチが出来るの?」
「うん! 出来るぞ! なんたって自慢の家族なんだからっ」
「というワケで、ハイ」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:47:07.93 ID:yKhvOO5V0
「いぬ美! Fetch!!」
その掛け声と同時にフリスビーを投げる
少し高めに、ふんわりと
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:47:48.24 ID:yKhvOO5V0
ああぁ…… 凄いなぁ、キャッチした後、ちゃんと帰ってくるんだ
そんな事にも又感動
私の前に迄やって来たいぬ美は、お座りをし、フリスビーを差し出した
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:49:15.48 ID:yKhvOO5V0
それから、私達は何度かフリスビーキャッチをしたり
抱き着いてきたいぬ美に、我那覇さんが耐えきれずゴロゴロと芝生に転がったり
それを見て笑ってしまった私に、自分だけ笑ってるなんて酷いぞ、千早!
と、二人は団結して私を転がしに掛かってきたり
抵抗虚しく芝生に転がってしまった私に、いぬ美が飛び込んできて、先程の我那覇さん宜しく
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:50:00.77 ID:yKhvOO5V0
体力に限界が訪れた私達二人と一匹は芝生に座り込んでいた
赤く染まり始めた空を見上げた私は、意を決し、我那覇さんに今日の事を問い掛ける
「……あの、我那覇さん、今日はなんで、こんな事をしてくれたのか訊いていい?
勿論、凄く楽しかったし、良い気分転換にもなったから、凄く感謝してるんだけど
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:51:09.41 ID:yKhvOO5V0
「あと…… 千早に教えたかった
……ううん、違うな…… 分かって欲しかった、から…… かな」
「……? 分かって欲しいって言うと?」
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