過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 23:12:25.92 ID:HfBJyoWso

<最低な行動>




『どうしたの? 今日はお兄さんのところに行くんじゃなかったっけ?』

『行ってきた』

『それにしちゃずいぶん早く帰ってきたのね。お兄さんと喧嘩でもした?』

『・・・・・・』

『まさか、お兄さんにその。無理矢理変なことを』

『・・・・・・違うよ。お兄ちゃんはあたしが嫌がるようなことをする人じゃないもん』

『じゃあ、どうしたの』

 最初、妹ちゃんは俯いているだけで何も話してくれなかったけど、辛抱強く質問を繰り
返しているとようやくぽつぽつと話し出してくれた。

 お兄さんに告白されてそれを断ったこととか。

『だって。二人きりの兄妹だしお兄ちゃんのことは大好きだけど、ずっと家族として生き
てきて、それは何よりも大事な家族だけど、それでもやっぱり恋人として付き合ってくれ
って言われても素直にはいって言えなかった』

『まあ、それが普通だよね。妹ちゃんが悩むことじゃないじゃん』

 あたしは妹ちゃんがお兄さんの告白を断ったことにはほっとしていた。でも、やはりお
兄さんが妹ちゃんのことを、自分の実の妹のことを好きだという事実に、あたしは少し動
揺していた。

『・・・・・・でも。お兄ちゃん、あたしが妹友ちゃんのお兄さんと手をつないでいるところを
見たらしくて』

『そうか』

『タイミングが悪いよ。これじゃまるであたしがお兄ちゃんじゃなくて、妹友ちゃんの彼
氏の方を選んだって思って傷つけちゃったのかも』

『だってそれ、別にもう誤解じゃないんじゃ・・・・・・』

 あたしは思わず我慢できずにそう言った。きっかけはともかく今となっては妹ちゃんも
お兄ちゃんのことが気になっているはずなのだ。図書館での妹ちゃんの告白をお兄ちゃん
から聞く限りは。でも妹ちゃんは黙ってしまった。

 あたしはしかたなく話を進めた。

『・・・・・・』

『そんなことをお兄さんに言われたの? それで泣いて帰って来たの』

『お兄ちゃんの部屋に行って、お兄ちゃんに謝って今までどおりの兄妹の関係でいてくだ
さいってお願いしようと思ったんだけど』

『うん。それで』

『お兄ちゃんの部屋に女さんがいた』

『女さんって誰だっけ』

 もちろん彼女のことは知っている。そして、兄友さんが未練たっぷりに再び一度振った
彼女に言い寄ったことも。でもそこまでは妹ちゃんも知らないようだった。

『妹友ちゃんは多分知らないと思う。お兄ちゃんの昔からの友だち。嫌な女だよ』

『そんで?』

『女さんに怒られた。あたしがお兄ちゃんを振ったくせにのこのこ慰めに来るなんてって。
あたしには彼氏がいるくせに女さんに嫉妬するなんてって』

『お兄さん最低。彼女がいるのに妹ちゃんに告白するなんて』

『・・・・・・あたしに断られてから付き合い出したっぽいけど』

『そっか』


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