961:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/23(月) 23:55:58.64 ID:9s/yvZpko
「兄と妹のことを心配してくれたんだね」
ママが出て行くと池山さんが言った。
「ええ、まあ」
「君みたいな子が兄と付き合ってくれたらいいのにね」
あたしは池山さんの言葉に意表をつかれた。それは突然にあたしの胸に入り込み、あた
しを貫いた。
「な、何言ってるの」
「私が自分の子どものうち妹姫のことだけを愛していると思ってるでしょ」
姫か。この人もお兄さんと一緒で妹ちゃんのことを姫と呼ぶ。いったい妹ちゃんはどん
んだけ家族からお姫様扱いされているのだろう。別に自分の家族のことではないのだけれ
ど、あたしはなぜかこのとき妹ちゃんに嫉妬してしまったようだった。
「兄が生まれたとき、私も妻もすごく喜んだんだよ。私と妻の間にはもはや愛情なんかな
いけど、それでも兄のことを気にして大切に考えているのは二人とも同じだと思うよ」
「信じられません。あなたは妹ちゃんだけを贔屓にしているとしか思えません」
「そう見えるかもしれないとは私も思うよ。でも兄だって大切な息子なんだ。問題は兄が
姫を抱いたということだ。いくら兄も姫も大事だとはいえそんなことは絶対に許せな
い」
何を言っているのだ、この人は。お兄さんと妹ちゃんは確かに水着姿で抱き合ってキス
していた。そこまでは事実だけど、お兄さんが妹ちゃんを抱いたって。池山さんが言う抱
いたという意味は抱きしめたとかそっちの意味とは思えない。
「少しかまをかけたら二人は白状したよ。肉体関係があることを」
あたしは凍りついた。
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