過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2013/08/12(月) 22:22:19.46 ID:EHlwHqUX0
草が多い茂っている以外に何もないH=03エリア、その草の間から一人の少女が顔を出した。
クラス内での身長の低さは5本の指に入る。
ほんの少し染めた茶色の髪で2本のみつ編みを結うその少女は、可愛らしい容姿からクラス内、外両方から人気があった。
その少女――武田紘乃(女子10番)は溜息を吐いた。
朝の放送を聞いて涙が出てきた。
昨日まで仲良くしていたクラスメイトたちが死んでいくのはショックだった。
しかも、4人のうち3人が自分と親しかったので尚更――
紘乃は瀬川小夜(女子8番)率いるグループの人たちと仲が良かった。しかし、あまりの大人数で騒ぐのはあまり好きではなかった紘乃は、大抵月野郁江(女子11番)と一緒にいた(グループ争いに巻き込まれたくなかったことも原因だ)。
ああもうあたしの大バカ!
どうして郁ちゃんを待たなかったのよぉ!冗談じゃない、こんな所で1人きりなんて…
紘乃はずっと後悔していた。出発直後は恐怖で頭が混乱していたため、人を待つということができなかった。たった4分待てば郁ちゃんに会えたのに――考えれば考えるほど、悲しくなった。
紘乃は出発後ずっと同じ場所に隠れていた。別に武器が外れだったわけでも、移動がつらいわけでも、恐怖で足が竦んでるわけでもない。
支給された武器はベレッタM8000という自動拳銃だ。説明書を見てもよくわからないが、撃った時の反動が吸収されるため、連続発射時の命中精度が高くなるらしい。しかし、その銃は今はデイパックの中にしまってある。紘乃はバドミントン部員だった(引退したから過去形でいいのよ)。部内では3年12人中3番目に強かったし、それなりに筋力も発達していた。その気になれば銃を手に会場内を歩き回ることも出来るが、それはしなかった。
紘乃にはやる気の欠片もなかった。
確かにこの状況、4人が死んでいる状況は怖かった。しかし、足が竦んで動けないほどではない。クラスの大半の生徒を信用しているから。人殺しをするような人ではない、と。名前を呼ばれた4人は死神に選ばれた人が仕方なく殺してしまったんだと考えることにした。
どのくらいの時間が経っただろうか。
周囲の僅かな葉が擦れる音にも敏感に反応し、常に辺りを見回している。緊張しているために少し疲労している。
疲れた…おなかすいたなぁ…
ガサッ ガサガサガサッ
紘乃の小さな背中がピクッと震えた。
偶然風で葉が擦れた音ではない。そして、その音は徐々に近づいてきていた。誰…誰なの……?
「ひ…紘乃……お前紘乃か?」
声変わりした男子生徒の声。それは自分がクラスの男子の中で最も聞きなれた声だった。紘乃はほっと溜息を吐き、笑顔で振り返った。
「テツ君……」
その少年は岡哲平(男子3番)だった。
最も親しい人物――紘乃の恋人だ。紘乃の左手の薬指にはめられた指輪、これも哲平からのプレゼントだ。
「紘乃…よかった、探してたんだぜ。…横座ってもいいか?」
「あ、いいよ。 どうぞ」
哲平は紘乃の横に腰掛けた。そして、紘乃の肩に手を回した。
「会えてよかった…紘乃チビだから見つからないかと思ってたぜ」
「あ、失礼なっ!」
「ゴメン、ジョーダンだよ。でも無事でよかった…怪我はしてないな?」
紘乃は自分の体重を哲平に預け、小さく頷いた。幸せだった。大好きな人と一緒にいられることが。
「紘乃はさ、これからどうするつもりだったんだ?」
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