過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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31: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/16(金) 23:10:57.20 ID:QkQOEvj0o
『……』

『怜?』

しかし怜は神妙な顔をして反応せず竜華は怪訝に思いながらもう一度彼女の名を呼ぶ。

『……ん? ああ、そうやな。宮永のせいやない。うちが勝手に無理して勝手に倒れて勝手にくたばっただけやからな。宮永から直接殴られたわけでもなしに考えすぎやろ』

『くたばるて……』

怜の乱暴な物言いに苦笑する竜華だったが心の中で胸を撫で下ろしていた。

怜は誰かを恨んだりしていない。それがわかって嬉しかった。

「怜も宮永のせいやないって」

「そうですか」

竜華が伝えると浩子は詰めていた息を吐き出す。彼女もまた怜が他人を恨んでいないかどうか心配していたのだろう。

『しっかし案外繊細なんやな宮永。打っとる時はそれこそ殺される思っとったんやけど』

対局中の照は本当に容赦なく怜含め他家を攻め立てていた。相手の一人である阿知賀女子の松実玄が泣いても、怜が目に見えて体調が悪そうな素振りで打っていても顔色一つ変えずに。

さすがに怜が倒れた時には目を見開いていたが、対局中の無表情な宮永照と考えすぎで悩んでいる少女が繋がらないのか、怜はおかしそうに肩を震わせている。

『あんま笑ったりなや。怜のことで悩んでくれとるんやから』

『死んでからモテモテやんうち』

竜華は嗜めるが怜は笑い声を上げ続けた。

「けど何で今なん? 葬式には来てへんかったよな?」

質の悪い自虐に眉を顰めた竜華だったがすぐに気を取り直して質問を続ける。

「昨日か一昨日くらいに知ったらしいんです、園城寺先輩のこと」

怜の死は竜華達にとっては大事件であったが宮永照にはなんら関係のないことだ。

プロ入りは確定していたがまだプロになったわけではなく、有名人というわけでもない怜の現況について彼女が知る機会はそれほど多くないだろう。むしろ早くに知れた方だと言える。

「……そっか」

それでも竜華はどこかやるせない感情が抑えられなかった。親友の死は世間にとってはどうでもいいことなのかと。


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