過去ログ - 美琴「まったく、遅いわよ」
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540:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/06(木) 21:14:48.89 ID:N71QsOM90



(ったく、美琴のやつ)

1人待ちぼうけをくらう上条は反対側の歩道で行列の暑さと戦っている美琴を見守っていた。
美琴のことだ。代わりに並ぶと言っても絶対に譲らないだろう。

「おや、また貴方ですか」

つい数時間前に聞いた声に、思わず上条は顔をしかめるが、さすがにそのままでは相手に悪いだろうと、一息つけてから振り返る。

「ああ、また会ったな」

相変わらず『さわやか』という言葉を具現化したような人間である。嫌な気持ちが前面に出ている自分とは対極であり余計にいらついてしまう。

「御坂さんはどうなされました?」
「あいつなら、あそこだ」

海原の問いに、上条は美琴が並ぶ行列を指さしながら言う。

「そうですか」
「……」

すぐに会話は途切れた。
気まずいと、上条は動揺していた。
デートの邪魔だから出て行けとは言えず、けれどもこれから仲良くしましょうなどとも決して言えない。
美琴に早く戻って来てほしいと願いながらチラリと見る。

「ん?あれって……」

行列に走っていく男。それは服装も、髪型も、遠くて良くは見えなかったが、顔も海原光輝そっくりだ。

「海原、お前兄弟とかいたのか?」
「いえ、私の家は一人っ子ですが」
「でも、確かに」

海原と瓜二つの男は行列に割り込んでいった。

「偽物、かもしれませんよ。肉体変化という能力までありますからね」

もし見間違えでなく、本当に海原と瓜二つだったら。
わざわざ海原に化けた理由。
あの行列の中に誰がいるか。

「ま…さか、美こ――っ!!」

突然背中に激痛が走る。肺から空気が一気になくなり息が出来なくなる。

「――!げほっ、ごほっ!ちく、しょう。こっちが」
「まったく、あのまま寝ていればよかったものを」

海原は懐から黒い石でできたナイフを取り出した。

「残念ですが、貴方にも死んでもらいます」


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