111: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/17(火) 22:50:05.28 ID:KwFoDQjV0
そう、あたしは入れる。入れた。事実として。
これは何を意味しているのか……簡単だ。都市伝説が本当なのであれば、家主があたしを招き入れたからに他ならない。理由は、それこそ考えるまでもないだろう。
腕章「簡単に殺されたりはしないけどね」
あたしの能力は戦闘向きではない。だから、とにかく逃げることに専念しなくちゃだめだ。わかってる。うん、思考は明瞭。オーケー。
逐一平静の確認を取って、あたしは硝煙くさい袖で顔を拭った。
この敷地内に入れないのと同様、この敷地内から出られない可能性もある。それは当然いずれ試すつもりだったが、まずは現状の確認からで問題あるまい。
幸い、まだ敵に動きはないようであったし。
あたしの能力の範囲内に感知できる能力者の数は二。つまり、この屋敷の主と、先ほどの彩人。
助けを呼べば来るだろうか。例えば悪即斬。いや、屋敷の主が悪であるならまだしも、何もない状態では加勢をしてはくれないだろう。最低限、あの正義バカが屋敷の主を「悪」と認定してくれなければ。
弱肉強食は猶更駄目だ。あいつを呼んだところで来ちゃくれないだろうし、来ても結局あたしが襲われるのが眼に見えている。
猪突猛進も邪気眼も死んだ。手駒はもうない。
まさかムムが助けてくれるはずもない。やはり、どうやらあたし一人でなんとかしなくちゃならないらしい。
漆喰に固められた囲いに向かって猟銃を向け、跳弾は心配だったが、そのまま引き金を引く。またもや両腕が弾け、今度は体ごと跳んで尻もちをついた。
囲いには穴こそ開いたけれどびくともしていない。力技ではやはりだめだ。
方法は二つ。家主を殺して悠々と出ていくか、何とかしてこの敷地内から出るか。
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