52: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/30(金) 22:56:22.97 ID:UCOHuY5k0
あぁ、気分がいい。
世界はどこまでも広がっていて、誰もがちっぽけな存在の中で、私は、私だけが、唯一無二だ。
だから全員死ね。
私を敬え。崇め奉れ。尊敬しろ。
平伏して、唾を顔面で受ければいいんだ。
思いついて駅前へと向かうことにする。途中にあるアーケード街は地下と地上の二本立て。狸小路と呼ばれるそこの奥まったところに私の目当てはある。
刃物屋「ふじよし」。これまで私には買えなかったけれど、今の私には力がある。見たもの全てを意のままに操る邪気眼――『黒光纏いて優雅に踊れ』。椅子と机じゃ格好悪いし、そもそももっと持ち運びに便利なものを用意しないと。
ムムは言った。能力者は惹かれあうと。意図せずとも、企図せずとも。
ならば準備をして困ることはない。いつ見つかるか、見つけるか、わからないのだから。
「お、銀島じゃーん!」
「なに、なに、なにやってんの」
私の名前を呼ぶ声がして、思わずそちらを振り向いてから「しまった」と思った。
同じクラスの不良だ。汚らしい髪の毛と肌の色で、どぎつい紫の口紅、ラメラメしいアイシャドウ。そんなに人間を辞めたいんだったら屋上から飛び降りたほうが早いのに。
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