86: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/09/11(水) 22:17:19.90 ID:vaqxWu9A0
そうして学校まで走って、辿り着いた時には昼食時間に差し掛かっていた。仕方がない。数学のノートを誰かに見せてもらおう。
肩をぐるりと回した。ふぅ、これで少しはリラックスできる。
能力者の気配も1つだけになったことだし。
あたしは能力者の存在を感知することができる。とはいっても、そんなに細かくはわからない。あたしを中心とした半径数キロ以内にいるかいないか。いるならどれくらい近くにいるか、その程度。
だから今日も「邪気眼」を追跡することができたし、「弱肉強食」と「悪即斬」の戦いを観察することもできた。
結果的にはあたしが「邪気眼」を殺してめでたしめでたし。「弱肉強食」と「悪即斬」にも意識を向けていたけど、どうやら弱肉強食が逃げる形で終わったらしい。あの二人も本当にトムとジェリーなんだから。
ま、あの二人はきっと大丈夫。「悪即斬」は性格的に自分から戦いを挑んではこないし、「弱肉強食」の凶行は「悪即斬」が止めてくれる。
目下の問題は、今感じている一つの気配だ。
あたしの学校にはもう一人能力者がいる。
それが誰かはわからない。
一通り探し回ってはみたけれど、「邪気眼」のように往来で能力をぶっぱなすバカはそうそういない。尻尾を掴むことさえできなかった。
今のところ目立った動きがないといって安心はできないだろう。逆にいつこちらが標的になるかもわからないのだから、警戒はするに越したことはない。
けれど、どこかにいるのだ、必ず。どこかには。
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