過去ログ - 御坂「あんたのこと」食蜂「大好きよぉ」
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46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/17(土) 22:51:34.11 ID:BX4MDBAAO
〜67〜

白井「――――――」

全長333メートル、乗員5000にも及ぶアメリカ海軍原子力航空母艦『ジャック・ルビー』甲板……
防護服の白井は結標に車椅子を押され、眦が裂けんばかりに見開いた目を覆いたくなるような光景に――

結標「もう半年も太陽を見てないわ。きっとこの先もずっとね」

白井「………………」

雪ではなく灰が降り注ぐ暗雲、流れ着き渚に打ち上げられた死体が渚を埋め立て、黒雲のような蠅が集る。
地面に逆様に突き刺さったビル群が水没し、奇形化や皮膚病を患った海鳥が剥き出しの鉄骨を止まり木に。
海面は赤潮で覆われ、地面は赤錆に覆われ、いくつもの爆心地が道を生み、瓦礫が舗装する地平線の果て。

結標「ここが東京湾で、あれが学園都市だなんて信じられないでしょう?世界中どこも似たような物だわ」

そこには『セフィロトの樹』を天空に、『クリフォトの樹』を大地に魔法陣として描き光り輝く学園都市。
その周囲には無数の天使達の死体が銀世界のように広がり、死都という肉体に巣食う蛆虫の群れのようだ。
更に数万の十字架、数千の機関銃、数百の剣が滅びの丘に墓標として立ち並び、戦士達の魂を鎮めている。

オルソラ「これがあなた様方のご友人、御坂美琴が引き起こしたハルマゲドンの成れの果てでございます」

蜘蛛の巣状に広がった地割れの下に流れるマグマを光源に照らされたオルソラが学園都市を見やりつつ――
語る。今や彼女は第一次世界大戦を引き起こしたガヴリロ・プリンツィプ以上の世界の敵と目されていると

オルソラ「世界中で核の火が飛び交い、私も顔を焼かれました」

世界の終わりが信じられない、世界の果てを信じたくないと白井は目を閉じ耳を塞ぎ口を噤もうとするも。

オルソラ「結標淡希さんが、本当に自分で髪を切ったとでも?」

白井「!?」

結標「止めなさい!」

オルソラ「嗚呼、これは失礼したのでございますよ。それでは」

オルソラが結標へと振り返って浮かべた笑みはケロイドを差し引いて尚歪んでいた。以前の彼女なら……
決して浮かべないであろう笑みから逃れるように結標は頭を直した。とどのつまりはそういう事である。

白井「……淡希さん」

結標「ごめんね。これがこの世界で出来る精一杯のお洒落なの」

余命が尽きる前に貴女が目覚めて良かったわと、結標は笑った。




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