過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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以下、新鯖からお送りいたします
[saga]
2013/09/05(木) 18:19:27.61 ID:6HVoPzVuo
◇
食事を終えて様子を見に行くと、空になった食器がベッドの脇の椅子の上に置かれていた。
妹は眠っているようだった。
食器を持って部屋を出るときに、ふと、さっき妹が何かを言いかけていたことを思い出す。
――何かしているって確信が持てないと、自分がここに居ていいのか分からなくなるって。
部屋を出て、キッチンの流し台に食器を置く。わけもなく溜め息が出そうだった。
自分ではもう覚えていないような些細な言葉。取るに足らない軽口。
そういうことをあいつはずっと覚えている。
だから俺は、人一倍、言葉にも行動にも気をつけなきゃいけなかった。
俺はそんなことを言うべきじゃなかった。
何度か頭の中で自分にそう言い聞かせたあと、そのことについては忘れることにした。
それでも、納得とも驚きともつかない奇妙な気持ちが、俺の中から消えなかった。
あいつはやはり、「自分はここに居てもいいんだ」と納得するために、必死に家事をこなしているのかもしれない。
それは、ずっと前から予想していたことではあった。
そう考えてから俺は悲しくなった。結局俺は、今まであいつに本当に何もしてやれていなかったのだ。
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