過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/22(日) 16:39:36.64 ID:9lqdvaLCo

「……そうだな」

 と俺は言った。従妹の言うことは否定のしようがない。事実俺は、そのように考えていた。
 彼女は少しの間考え込んでしまった。俺は何も言わずに続きを待った。

「おにいちゃんは、無理をして、誰かの役に立とうとか、しなくてもいいんだよ。
 そんなことしなくたって、おにいちゃんの居場所はちゃんとあるんだよ」

 従妹はそう言ってから、唇を強く噛んでいた。後悔していたのかもしれない。
 
「そうかもしれない」

 と俺は言った。半分くらい聞き流していた。
 カン、カン、という靴の音。それが少し煩わしく思えてきた。

「もっと俺が、良い息子で、良い兄貴で、良い従兄だったらよかったんだよ。頼りがいがあって、芯があって……。
 だから、そういうふうになりたかったんだよな。なろうとしてみたんだ。でも、すればするほど、嫌になった」

「おにいちゃんは、がんばってたよ」

「そうかもしれない。……違うな。そうじゃない。がんばったかどうかは、この際関係ないんだ。
 他人がどう思うかは関係ないんだよ。俺が俺を許せないんだ。役立たずの自分が嫌で嫌で仕方ないんだ」




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