過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/09/23(月) 17:46:41.07 ID:BMk4ZBhio
「無理に何かをする必要はないんだよ。分かるだろ?」
「……うん」
「べつに何もしていなくたって、ここに居ちゃいけないなんてことはない。
一日中ぼんやりとクルマサカオウムのことを考えてたってかまわない。
もちろん何もするなってことじゃない。俺が言ってること、分かるか?」
そう言い切ったとき、俺の心はかすかにざわついた。
何かが違うような気がする。でも、どこがおかしいのかは分からない。
俺の言葉に、妹は小さく頷いた。また、雨粒が落ちる音が聞こえる。何かを叩く音。
結局そこで話は終わって、俺たち二人は父が帰ってくるまでずっと押し黙っていた。
父が帰ってくる頃には雨は止んでいた。トントンという雨粒の音も、しばらくすると聞こえなくなった。
それから妹は当然のように三人分の昼食の準備を始めた。
俺は自分が妹に言った言葉をひとつひとつ思い出して、点検しようとした。
でも、途中で嫌になってやめてしまった。結局俺は彼女に何ひとつ言えていないという気がする。
たぶんその感覚は、さして間違ってもいないのだろう。
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