過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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478:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/09/23(月) 06:49:35.66 ID:x0w47vyOO



479:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:39:56.44 ID:BMk4ZBhio



 家の中には俺と妹の二人しかいなかった。
 空は真っ暗だった。雨は段々と激しくなり、降り始めてから十数分経った今ではほとんど大雨と言っていいくらいまで強まっていた。
以下略



480:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:40:23.31 ID:BMk4ZBhio

 雨の音。ずっと続いている。黒い雲と細かな雨。染み入るような冷たい空気。
 なんだか、いやに肌寒い。身震いするほどに。

「帰っちゃったね」
以下略



481:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:40:58.23 ID:BMk4ZBhio

「……うん」

 しばらくあと、妹は溜め息のようなかすかな声で、そう囁いた。
 あまりにも小さな声だったから、俺は最初、それがさっきまでの会話の続きだとは気付けなかった。
以下略



482:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:41:34.71 ID:BMk4ZBhio

「べつに、嫌じゃないよ」

 話はよく理解できなかったけれど、俺はそう答えた。
 額面通りに質問を受け取るなら、答えはそうとしかならない。
以下略



483:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:42:48.70 ID:BMk4ZBhio

「ときどき、わたしも変だって思うんだよ」

「……なにが?」

以下略



484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:43:57.72 ID:BMk4ZBhio

 あの霧の日、一番大きなダメージを受けたのは、まちがいなくこいつだろう。
 いや、そもそもの話、それ以前から、俺たちの家はとっくに破綻していた。

 両親は顔を合わせれば喧嘩を繰り返していた。
以下略



485:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:44:29.82 ID:BMk4ZBhio

 強迫観念。

 だから俺は妹と話すとき、いつもどこか後ろめたく思っている。
 妹だって、心のどこかで怯えている。そういうふうに感じる。
以下略



486:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:45:16.63 ID:BMk4ZBhio

「だって、おまえはさ、ちょっと嫌なことがあったから夕飯をつくるのが億劫だとか、絶対に言わないだろ」

「そんなことは、ないと思うけど」

以下略



487:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/23(月) 17:45:53.23 ID:BMk4ZBhio

「なんていうか、余計なお世話かもしれないけどさ、家のことなんて二の次でいいんだよ。
 不機嫌なときには夕食をカップラーメンにしたってべつにいいんだ。おまえはそういうのを、とても熱心にやるから」

「……」
以下略



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