過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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[saga]
2013/09/24(火) 19:03:19.80 ID:1PtdhOx8o
「じゃあさ、結末を変えちゃえば?」
部長のその声に驚いて、俺は彼女の表情を凝視していた自分に気が付いた。
性欲。
靄に包まれたようにぼんやりとする頭をなんとか働かせて、俺は答えを考えた。
「変える、というと……」
「具体的な部分は、きみがどう考えるかの問題だからわたしは知らないけど。
んー。そうだなあ。すごく大雑把に言えば……」
それからとても明るい顔で、
「殺しちゃえば?」
と笑った。
「それらしい理由をつけて、それらしい展開を書いて、ついでにそれらしい伏線さえ張ったうえで、人が死ねばさー。
けっこう、みんな良いように解釈してくれるよね。そういうの、分かるでしょう?
まあ、あとは最後に前向きっぽい結論でも出しておけば、“素人小説にしては”って枕詞つきでも褒めてもらえるよ」
俺は彼女の口からそんな言葉が出てきたという事実に、自分でも驚くほどショックを受けていた。
なぜだろう? 彼女は作劇上のアドバイスをしたにすぎないのに。
「……ええ、まあ。わかりますけど、でも……」
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