過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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499:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/24(火) 19:03:19.80 ID:1PtdhOx8o

「じゃあさ、結末を変えちゃえば?」

 部長のその声に驚いて、俺は彼女の表情を凝視していた自分に気が付いた。
 性欲。

 靄に包まれたようにぼんやりとする頭をなんとか働かせて、俺は答えを考えた。

「変える、というと……」

「具体的な部分は、きみがどう考えるかの問題だからわたしは知らないけど。
 んー。そうだなあ。すごく大雑把に言えば……」

 それからとても明るい顔で、

「殺しちゃえば?」

 と笑った。

「それらしい理由をつけて、それらしい展開を書いて、ついでにそれらしい伏線さえ張ったうえで、人が死ねばさー。
 けっこう、みんな良いように解釈してくれるよね。そういうの、分かるでしょう? 
 まあ、あとは最後に前向きっぽい結論でも出しておけば、“素人小説にしては”って枕詞つきでも褒めてもらえるよ」

 俺は彼女の口からそんな言葉が出てきたという事実に、自分でも驚くほどショックを受けていた。
 なぜだろう? 彼女は作劇上のアドバイスをしたにすぎないのに。

「……ええ、まあ。わかりますけど、でも……」



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