過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/23(金) 17:45:57.81 ID:d8131qjCo

 うちの文芸部は人気がないなりに歴史もあるらしくて、部誌のバックナンバーも結構残っている。
 
 読み返してみるとおもしろいものだ。 
 どう考えてもふざけているとしか思えないものから、ひときわ気合いの入ったものまでさまざま。

 そんな中、去年の部誌の見どころは、幽霊部員たちが罪悪感からか一句ずつ寄せた川柳だろう。

「何か書け そう言われても 書けやしない(字余り)」山田 

「書けないよ ああ書けないよ 書けないよ」定岡 

「雨の音 木々の隙間に 揺れる声」枝野 

 枝野だけが妙に真面目なあたりが哀愁を誘った。
 でも、いちばん適当に書いたのも枝野だと思う。だって意味なさそうだし。

 当時の部長の判断が、今にして思えば英断だった。

 表紙を開いたとき、真っ先にこの川柳が目に入るようにして、しかも一句につき一ページを割いた。
 ページの中央に大きめのフォントで各々の川柳を配置。左下に三十字ほどの解説まで寄せていた。
 たぶん普段サボりがちだったことに対するあてつけもあったのだと思う。

 が、この身も蓋もない感じの川柳が、かえって親しみやすさを呼んだのか、部誌はなかなかにさばけた。
 けっこう評判もよかった。主に川柳が。



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