過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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536:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/28(土) 14:08:17.13 ID:KVRRLmPoo

「そんなに先のことまで、普通、考えないよね」

 彼女は真剣な声音でそう言うと、遠くの空をじっと睨んだ。

「でも」と俺は言った。

「俺は考えるんだ。考えずにはいられない」

 彼女は正しい。俺は臆病者だ。

「結局きみが知る通り、俺がきみに何かを告げることはなかった。
 自分の中で終わったことにしてしまうと、何もなかったみたいにすぐきみのことも忘れられた。
 あとはほろ苦い思い出だけが残った。そんなものでもないよりはましだと思った」

「最低」と彼女は繰り返した。ちょっとつらそうだった。
 それでも俺は、今とても正直に話をしている。
 ……ひょっとしたら、つらい事実を話す正直者よりも、素敵な作り話を語るうそつきの方が付き合いやすいかもしれない。

「失望されるのが怖かったの?」

「きっときみは俺のことなんてすぐに嫌になっただろうと思う」

「どうして?」




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