過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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537:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/28(土) 14:09:22.91 ID:KVRRLmPoo

「きみは俺にまともな人間であることを望んだと思う。
 理想化されないまでも、少なくとも恥じるところのない人間であることを望んだと思う。
 反対に俺は、きみに無条件の好意を望んだだろう。何をしても許してくれるような、そんな都合のいい存在であることを望んだ」

 俺は話しているうちに段々と嫌な気持ちになってきた。

「そんなのまともな恋愛なんて呼べるか?」

「……まともな恋愛ってなんだろう?」

 その答えを俺は知らない。でも、少なくともそういうものは「まとも」とは呼べない、と思った。

「俺は人を好きになれるような人間じゃないんだろうな。
 たとえば俺が望むのは"安心"であって、"安心させてくれるような誰か"であって、特定の誰かじゃない。
 俺を安心させてくれるなら誰だっていい。きみだってかまわないけど他の誰かでもかまわない。
 要するに俺がほしいのは抱き枕とか、赤ん坊のおしゃぶりみたいなものなんだ」

 なんでこんな話をしているんだっけ?

「ものすごくリアルな人型の機械が、俺に愛情を抱いている"ふり"をしてくれるのが一番都合がいい。 
 生きている人間が相手だと不安になってくるから。結局魂の有無だって関係ないんだ」

 彼女は黙り込んでしまった。

「でも、そんなことを考えて、そんなことを人に求めれば、いつか気付かれて軽蔑されるに決まっている。
 だから、誰ともどうにもなれない。とにかく俺は、人との関係というものをどう発展させていけばいいのか分からないんだ。
 停滞している状態に安心を抱く。
 きっとだからこそ、高校に入ってから一年以上、きみと一緒にいられた。名前を知ろうとすることもなく」




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