過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/10/02(水) 18:47:20.02 ID:OhIxdLvyo
「俺はおまえのことが好きだし、だからおまえには笑っていてほしいんだよ」
「……は?」
「えっ……」
電話の向こうからの声と、すぐ傍で俺の様子を見ていた妹の声が重なった。
ちょっとまずい言い方をしたなと思ったけれど、まだ言い足りなかった。
「傷つけたいわけじゃないんだ。だけど、俺はそういう気持ちをどこに持っていけばいいのか分からないんだよ。
叔母さんも言ってたけど、俺はきっとひとりでいることに慣れ過ぎたんだ。
だからおまえに、余計なことを言ったかもしれない。おまえを傷つけたかもしれない。
でも本当はそんなことしたくなかったんだ。ただ感情のセーブがきかなくて、言わなくてもいいことを言って……。
相手を暗い感情に巻き込んでしまう、そういうときがあるんだ」
本当は、俺が話しかけていた相手は従妹ではなかったのかもしれない。
俺は電話の向こうに他の誰かの姿を見ていたのかもしれない。
枝野や部長や後輩のことを。あるいは傍にいる妹のことを。
そう思うと、自分の言葉がすごく自己愛的なものに思えていて、それ以上は苦しくて続けられなかった。
「勝手な言い分かもしれないけど、それだけは理解してほしい」
「あ、えっと、うん。……え? あ、その……」
しばらく混乱したような声で、従妹は意味のない言葉を吐き出していたけれど、
「……ごめん!」
という声を最後に電話が切れた。
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