過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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2013/10/02(水) 18:41:54.42 ID:OhIxdLvyo
腕が自分の腕じゃないみたいに簡単に動いた。
今まで俺の体を何かが縛り付けていて、それが一気に解き放たれたみたいな気分。
よく分からない昂揚感。ほとんど暴走するような感覚。
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2013/10/02(水) 18:42:20.49 ID:OhIxdLvyo
俺は書きあげた文章をもう一度読み返す。別に悪くない。
でも、そのノートの前のページには、まだ部屋の中から出ることのできていない「彼女」の姿があった。
俺の書く文章は、いつだって「彼女」のためにあるべきなのだ。
以下略
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2013/10/02(水) 18:43:14.61 ID:OhIxdLvyo
溜め息が出た。それから額を抑えて考える。
そうなんだよな、と俺は一人で頷いた。
いつかは書き上げなきゃいけないんだ。だって俺はもう書き始めているんだから。
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2013/10/02(水) 18:43:40.64 ID:OhIxdLvyo
俺は今日も自己完結的で排斥的だった。
みんな俺のドアをいつものようにノックした。ある者は激しく、ある者はささやかに。
俺はそれらをひとつひとつ丁寧に断っていった。
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2013/10/02(水) 18:44:14.89 ID:OhIxdLvyo
「ああ」
「なに? 元気ないなあ」
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2013/10/02(水) 18:44:41.11 ID:OhIxdLvyo
「娘がそっちで迷惑かけなかった?」
「俺は何もしてないから」
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2013/10/02(水) 18:45:07.81 ID:OhIxdLvyo
「声が暗い気がするけど、なにかあった?」
「え?」
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2013/10/02(水) 18:45:34.34 ID:OhIxdLvyo
「余計なことは考えないでいいから、とにかくわたしの言う通りにしなさい」
叔母の声音は真剣なものに変わっていた。
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2013/10/02(水) 18:46:05.98 ID:OhIxdLvyo
叔母は溜め息をついて、沈黙を置いた。俺には居心地のいい沈黙だった。
けれど不意に、何かの話し声と、がさごそという物音が電話口から聞こえた。
「……あ」
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2013/10/02(水) 18:46:34.01 ID:OhIxdLvyo
「わたし? わたしは、べつに、普通かな」
「普通?」
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