過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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589:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:36:56.50 ID:0AsOA6Dxo

 俺はすぐに答えようとしたけれど、その理由が分からなかった。
 きっと何かの理由があったはずなのだ。でも、考えれば考えるほど、書いている意味がよくわからなくなってきた。
 俺自身、もう書きたいなんて思っていない。誰も求めていないし、誰かに求められても関係ない。
 
 結局俺には書く理由なんてない。

「大変だね」と女が言った。

「大変なんだよ」と俺は答えた。彼女は目を細めて少し笑った。俺の好きな笑い方だった。
 でも俺は本心じゃ大変だなんて少しも思っていなかった。

「書き上げてどうするの?」

「……どうするもなにもない。書いたらおしまいだよ」

「それじゃあ、部屋から出て行って、そこで終わり? その先は?」

「その先のことは、俺の責任の範疇にはない」

「無責任じゃない?」

 女の表情の動きはよくわからなかった。いろんなものが判然としない。目の前に霧でも掛かっているみたいに。




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