過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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590:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:37:23.54 ID:0AsOA6Dxo

「ようやく覚悟して部屋から出たら、すぐにでも交通事故に巻き込まれて死んじゃうかもしれない」

「そうかもしれない」と俺は言った。それは真実だった。

「何かを決意したからって、すべてが上手くいくはずがない」

「うん」

 女は俺の方を一瞬だけじっと見つめたあと、何かを言いたげに口を開いた。
 でも、言葉は追いかけてこない。

「いつも、自分にはマトモな人間としての部品がいくつか足りないんじゃないかって気がしてたんだ」

 俺の言葉に、女は笑った。

「なにそれ?」

「いっそ誰からも忘れ去られて、存在ごと消えてなくなってしまえたらなって思ってた」

「そう」

「そうすれば誰も悲しまないし、誰も気にしない」

 静かな溜め息が聞こえる。




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