過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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609:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:46:46.17 ID:0AsOA6Dxo

 思わず同意の言葉が口から出そうになって、俺は必死に唇を閉ざした。
 それから、一度深呼吸をして、

「ないよ、そんなの」と、そう答えた。

「逃げることなんてできない。俺たちはここにいるしかないんだよ。出口があるとしても、そんな奇跡みたいなものじゃないんだ」

 そう答えることが正しいことなのかどうか、俺には分からなかった。
 でも、そう答えることしかできなかった。

 妹はしばらく黙り込んでいたけれど、やがてすっと手のひらから力が抜けた。
 まるで磁力を失った磁石みたいに、彼女の手は静かに俺の手から離れていく。

「……大丈夫。ちゃんと分かってる」

 そう、彼女は静かな声で言った。




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