過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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612:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/07(月) 19:48:08.47 ID:0AsOA6Dxo



 文化祭当日はそこそこ盛況だった。
 シィタ派は編入生とまわると言うし、ビィ派は部活の方で何かがあるというので、俺には一緒に回る相手のあてがなかった。
 
 それでもいつもとは雰囲気の違う校舎を歩いているだけでも楽しいものだ。
 それに、人ごみを避けて歩いていると、思いもよらず面白い出し物に出会ったりする。

 一人で校舎の中を歩いていると、奇妙なほど他の人の様子が目に入ってきた。 
 大勢で歩く者、二人で歩く者、一人で歩く者、いろんな者がいた。
 中には柱のそばに座り込んで休んだりしている者もいた。

 でも、何はともあれ、みんなこの場にいる。

 自分たちの学年の階を見て回っていたら、途中のお化け屋敷の受付に、枝野の姿を見つけた。
 一瞬だけ目が合った気がした。でも、彼女は列に並ぶ客たちの方にすぐ視線を移したので、気のせいなのかもしれない。
 
 仕方がなく、俺はすぐにその場を離れた。

 そこら中を歩き回っているうちに、友人たちと一緒に回っていたらしい部長と遭遇する。

「楽しんでる?」と彼女は言った。

「まあ、たぶん」と俺が答えると、彼女はおかしそうに笑う。




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