過去ログ - 日下部若葉「若葉おねえさんにお任せなの」
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2013/08/25(日) 14:52:36.97 ID:HxAfDMMz0
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櫻井桃華(12)
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2013/08/25(日) 14:55:21.18 ID:HxAfDMMz0
そして、オーディションは終了、全員に簡単な説明の後、解散となった。
……主役枠から洩れても、脇役に回される場合がある……か。
でも、私はやりきったんだ。ぜひとも、主役合格の吉報が欲しい。
以下略
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2013/08/25(日) 14:56:46.42 ID:HxAfDMMz0
トイレに向かった彼を待ち、私は廊下で手持ちぶさた。
所在なさげにキョロキョロしていると、ふと、廊下の曲がり角に何やらゴミが落ちているのを見つけた。
「ゴミのポイ捨てかな? う〜ん、この辺にゴミ箱はあったっけ……」
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2013/08/25(日) 15:00:30.86 ID:HxAfDMMz0
「いやいや……さっきのオーディション、よかったよ! おじさん、感動もんだった!」
「は、はい。ありがとう、ございます」
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2013/08/25(日) 15:03:10.64 ID:HxAfDMMz0
「あ、待ってーよ! 若葉ちゃん……今日のオーディションは素晴らしかった。だけど、まだ足りんもんがある……それ、知りとうない?」
「い、いや……その……私としては、やれるだけのことはやったので……後は天命を待つといいますか……」
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2013/08/25(日) 15:07:29.07 ID:HxAfDMMz0
「なんや……ワレ、今大事なお話し中や。ちょっと黙ってんか?」
「申し遅れました、私、彼女のプロデューサーの……」
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2013/08/25(日) 15:11:13.50 ID:HxAfDMMz0
「別件の仕事が終わったので、そのついでに視察に来たのです。それで……ウチの2人が、何か問題でも?」
「え……あ……」
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2013/08/25(日) 15:14:49.93 ID:HxAfDMMz0
その後、話はすぐに終わった。
私達の訴えは受け入れられ、あの大男の面接官はなんらかの処分を受けることになるようだ。
「さて、改めて正式の抗議文章を送らねばなりませんね。それはともかく、日下部さんに被害がなくてなによりです」
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2013/08/25(日) 15:18:24.09 ID:HxAfDMMz0
さっきの謝罪の言葉以来、彼は言葉を発さない。
ベンチに腰掛けたまま、再び顔を俯けている。
私は、彼の隣りに腰かけた。一瞬、彼の顔がこっちを向いたが、すぐにまた俯いてしまった。
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2013/08/25(日) 15:21:26.11 ID:HxAfDMMz0
相変わらず、私の心に燃え上がるような感覚はない。
ただ、身体の芯からぽかぽかと温まる様な……それでいて、鼻の奥がツンとする様な。
柔らかくて、少しせつない気持ちが、私の中に広がっていった。
以下略
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