過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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127:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage]
2013/08/27(火) 22:53:18.69 ID:GvW4ts2L0
「予想通り劣勢か。やはり能力者が複数名加わっているようだな」

のっぴきならぬ状況を前にして、しかし初老の男の言動に焦りは感じられない。
その落ち着きぶりに、周りの研究者たちは反って不安なものを感じているようだ。

もはや脱出するには一刻の猶予もないはずなのに、なぜこうも平然としていられるのだろう。
もしかして、まだ何か切り札を隠し持っているのだろうか。

長年木原について来たものであれば、彼が秘密主義者であり
手の内をそうそう曝け出さない性格であることを知っている。

上司の意図をきちんと確かめるべきか否か。誰か問い質してくれないだろうか。
互いに目配せし合う研究員たちを尻目に、白衣の男が点滅しているモニターに気づき
スタッフに命じてマイクスイッチを入れさせた。

「き、木原所長」

「君か。今がどういう状況かわかっているね?」

優しい声色だが、目はちっとも笑っていなかった。
モニターの向こうで男が佇まいを正すのがわかった。

「も、もちろんです。少し気になることがあって、ご報告した方がよいかと判断しまして」

「気になること?」

『施設内の小型マイクが拾った、おそらくは侵入者同士と思われる会話の内容です』

「……ふむ?」

『ノイズが入って聞き取りにくいと思いますが、録音されていたものの一部を流します』


<――ガ――ピー――第五位を――確保次第――>


<不可能と――場合には――抹殺>


「……抹殺だと?」

きな臭いものでも嗅いだように、木原が眉をひそめた。


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