過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage saga]
2013/08/23(金) 23:09:35.02 ID:MOu4w3xu0
「どのみち、一計を案じる猶予は残されていない」
そう言って、男が今なお滞空している傘を指差した。
おそらくは二分と経たずに、あの傘の群はこちらの制空権に到達してしまうだろう。
これ以上負傷者を出せば超電磁砲はおろか、警備員の勢いを止めることすらままならない。
黙りこくった隊員の姿に話が済んだと解釈したか、男が踵を返した。
そしてそこで、隊員たちの視線の先にあるものに気づいた。
ほとんど骨組みだけになった傘の残骸が、入口に列を作るように並んでいるのだ。
「な、なんだこれは? いつの間に――」
「雷がギザギザを描きながら落ちる理由、知ってるかしら?」
年頃の少女の――しかしぞっとするほど冷たい声色が、猟犬たちの背後から投げかけられた。
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