過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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215:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/04(水) 02:04:59.66 ID:V6cReWvf0
「……う……ぐ、……くそ」

「へ……勝負ありだな」

男が未だ起き上がれない上条にとどめを刺すべく足を踏み出そうとした。
だがしかし――


「……っ!」

前触れもなく左脇腹に走った鋭い痛みに、男の足が止まる。
全身に嫌な震えが走った。
先ほどの接触の間際、上条が肘を突き出していたのだと遅れて理解した。

(……こ、れは。……折れてるっぽいな)

脇腹に手がいきそうになるのを、辛うじて堪える。
ぶちかましを食らった上条のダメージも決して小さいものはないはずだが、それにも増して重篤な被害を被ったようだ。
地面に深々と埋まっている丸太に、自分から全力で突っ込んでいったようなものだ。
このダメージは、下手をすると勝敗に直結する。

無意識に、噛み合わさっている歯が軋んだ。
油断をしているつもりなどさらさらなかったが、それにしたって目の前の少年は、実戦慣れしすぎている。
自分を殺そうとする相手への対処法を、脳ではなく体で理解しているのだ。

この平和ボケした国で、そんなふざけたことがあり得るのか。
いくら能力を強化しているからといって命のやり取りをした経験まで身につくはずがない。
この少年は、幼少期をアフリカか中東の紛争地域で過ごしていたとでもいうのだろうか。


前から聞こえてきた衣擦れの音に、男がはっとして顔を上げた。
よろめきながらも、膝に手をついて立ち上がってくる上条の姿に、男の視線が固定されていた。


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