過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[saga]
2013/09/07(土) 22:39:13.63 ID:eVoQzYad0
現状では自分をよく思っていない者に心当たりがありすぎて、誰の仕業かを絞れない。
「だとしても、このままでは、終わらせないわぁ」
否、終わらせられない。
せめて、自分を嵌めた連中を道連れにしてやらねば気が収まらない。
そんな暗い気持ちに身を任せている最中――
唐突に、雨が止んでいることに気づく。
「え……」
いや、止んではいない。雨が水たまりを叩く音は消えていない。
自分に降る雨だけが止んでいるのだ。
「はぁ、こんなところにいたのか」
顔を上げようとしたところで声をかけられ、冷えた体がいっそう縮み上がった。
恐る恐る視線を上げていくと、ぐっしょり濡れた学生靴とズボンが、雨を弾く安っぽいビニール傘の柄が――
「道理で見つからねえわけだよな。つか、このままだとお互い風邪引き確定コースなわけだが?」
見知らぬツンツン頭の少年が、こちらに傘を傾けているのが見えた。
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