過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[saga sage]
2013/09/11(水) 06:15:15.28 ID:bCBZW/S80
少女の目に涙が溜まっていくのに気づき、にわかに上条が落ち着きなく周りの目を気にしだした。
「……い、いやぁ、元気にしてたか?」
愛想笑いで誤魔化そうとする彼を見て、本気の本気で引っ叩いてやろうかと思った。
仮にも恩人でなければ速攻力で洗脳を施し、パンツ一丁で女子校に突撃させているところだ。
あの日、先にシャワーを浴びさせてもらっていなければ。
自分が好きな店屋物を頼んでいなければ。
朝目覚めたのが、部屋に一つしかないベッドの上でさえなければ。
(が、我慢……我慢よぉ)
驚異的なまでの自制力を駆使し、振り上げかけた手をどうにか元の位置に戻す。
「ま、まぁ、それなりよぉ。――お陰様で」
「そ、そいつはよかった。それで、こんなところで何やってんだ?」
きっちり皮肉を交えたことにも全く気づいていないようだ。
鈍感だという月詠先生の慧眼に心の中で拍手を送る。
「あぁ、もしかしてこの辺に友達が住んでるとか? それとも、何か俺に用事が?」
心理学専攻ならこの少年にもデリケートな女心を指南しろという八つ当たりじみた心の叫びもセットで。
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