過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:26:25.03 ID:EaOumZa8o

 ひたすらはしゃいでいるうちに水平線が明るくなってきた。
 僕たちは立ち止まってそちらを見た。
 どちらともなく座り込む。
 並んで肩を寄せて、明るさを増していく空を見上げる。

「わたし、朝日を見るのなんて何年振りかな」
「僕もじっくり見るのは久しぶりだな」
 それきり二人とも黙りこむ。

 日が出るにはまだもう少しかかりそうだ。
 最後に言い残すことはなかっただろうか。僕は慌てずに頭を探った。
 と、彼女が言った。
「セックスしとけばよかったね」
 あ、と僕は声を漏らした。結局ヒナとは交わりを持っていない。

 なんだか大事なことを損ねてしまった気分になったが、僕は努めて冷静に返した。
「いや、でも大したことじゃないさ」
「どうして?」
「ヒナは幸せだった?」
 唐突な質問に、彼女は瞬きをした。



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