過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/24(土) 19:19:33.28 ID:9gYYSLduo

 線の細い少女だった。
 整った顔立ちだが目つきは冷たく、そのせいで無愛想な印象を受ける。
 黒い長髪が薄暗がりでもかすかに艶を放っていて、その光に思わず見とれる。

 目を離せないでいると、彼女はスカートをふわりと揺らして近付いてきた。
「雨宿り?」
「え? あ、まあ……」
「じゃあ中に入った方がいろいろ楽じゃない?」

 言われて見上げるとホテルがどうとか書いてある。
 汚れとうす暗いのとで部分部分しか読めなかった。
 視線を下ろすと少女は既に入口をくぐっている。

 僕は一瞬の躊躇だけをはさんで、すぐにその後を追った。
 なんでかと訊かれると困る。
 中に入って休みたいほど疲れていたのは確かだけど、何しろ僕にはお金がなかった。
 できるだけ節約したいしするべきだったのだが、なぜだか彼女についていかなければならない気がしたのだ。



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