過去ログ - 一方「だが上条、オマエには……『一方通行』と呼んでほしい」
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15: ◆lWV9WxNHV.[sage saga]
2013/08/30(金) 21:29:42.53 ID:bLPk5RuH0

「インデックス……」

 さっきは喜んでくれていたみたいだったのに、どうしたのかと思ったけれど。

 インデックスは能天気に見えて、時にとても思慮深い。
 少し遠い未来、自分が陥るのだろう苦悩を探し当て、案じてくれているのだろう。

 きっと的外れではない。けれど上条は笑顔のままだった。

「一方通行はさ、何があっても打ち止めの手を取るよ。俺が手を差し出しても、鼻で笑って無視されるぜ?」

「でも」

「一方通行は俺が手を引かなくても、俺の隣に立ってくれるよ。一緒に前を向いて行ける」

 俺の隣で、同じ方を向いて、二人で歩いて行ける気がするんだ。

 いつだったか、そう思った時のことを手元に返す。

 一方通行が初めて上条に手を伸ばしてくれた時のこと。
 どんなに強い意志と能力を持っていても、ただの女の子なんだと知った時のこと。

 遥か昔にも思えたし、つい昨日のような気もした。ひどく鮮明に思い出せる。

「とうま……」

 呆れたような、しかし嬉しそうな顔でインデックスは溜息をついた。

「そうだね。その方が、とうまらしいかも。でも、世界は時々残酷だから。
 あくせられーたが一人じゃどうにもならない時に、私がピンチになっちゃったりするかもだよ?」

「インデックス、そんなの」

「だからね」

 そんなの俺が何とかしてやる、という言葉を優しい笑顔で遮って、インデックスが弾むような声で言った。

「私、頑張るんだよ。とうまがちょっとだけ、手を離してもいいようにね」

「へ……?」



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