過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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169: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/10/14(月) 17:15:54.74 ID:KtVeTAu2o



「原因がよく分からねェから、3日くれェ検査入院しろってさ。」

医者と入れ違いに入ってきた打ち止めと19090号、少年相手にはこう嘯いた。医者は口裏を合わせてくれるだろう。色々とお節介に感じることも多いが、「患者に必要な物は何でも用意する」と豪語するだけあって、自分が身体的な問題を解決することを第一に考えている場合にはこれ以上の協力者はないであろう、と思う。その必要があると判断すれば患者の家族を謀ることにも、果ては患者自身を欺くことにも遠慮がないのだから。

「あなたにも心当たりはないの、ってミサカはミサカは訊いてみる。」

「呼吸困難で酸欠なってた人間に分かって堪るか、ンなもン。」

彼女はベッドの上で呆れるように言った。その表情や口振りに不自然なところはなく、顔色も元から血色の良い見た目ではないことを踏まえるといつも通りと言えるだろう。少なくとも表面的には回復しているように見えた。
彼女が言う通り、酸欠状態になっているというのにまともにモノを考えろというのは無理がある。彼女はむしろ危機的状況においてもかなり冷静に物事を考えられる質なのであるが、酸欠となるとそもそもの思考も生理的に鈍るのだから冷静だとかそういうレベルの問題ではない。突然倒れ込んだ原因に心当りがないというのも、むしろ普通のことだろう。

「世話掛けたな、」

そう言って彼女は打ち止めと19090号の頭を撫でた。打ち止めは小型犬のように嬉しそうにその手に纏わり付いて、一方妹達の中でも引っ込み思案な性格らしい19090号は少し照れくさそうにしている。

「オマエも。」

少女たちから一歩後ろに立ってその様子を見守っていた少年にも言葉が掛けられた。素直に感謝しないところは彼女らしいが、元を糺すとこういった遠回しな表現ですら口にするのは珍しいので、彼は少し驚いた。

「17600号にはお礼しなくていいの、ってミサカはミサカは意地悪してみる。」

「アイツはそォいうの苦手だろォが。」

「最新型の追尾機能付き小型カメラが欲しいとのリクエストが届いています、とミサカは17600号からのコメントを伝えます。」

「謝礼の枠を超えてるし、俺のストーキングに使われるから却下。」



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