過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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310:ゆりこと! ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/12/15(日) 11:52:37.09 ID:lbE05COTo

「で、けっきょくどォすンの?」

元の通りに肩に乗せると、少女は彼の頭の上から訊ねた。

「それなんだよなぁ、」

上条の隣人から彼らが古本屋に行ったらしいという話を聞くことができたが、具体的な場所までは分からなかった。可能性としては洋書の多い第十四学区の何処かの店が考えられるけれど、第七学区からは大分遠い。自分たちがそちらに向かっている間に彼らはどこかへ移動してしまうだろう。普段ならそんな擦れ違いは気にせず全速力で第十四学区へ向かうところなのだが、未だ能力の応用に長けていない彼女はそれに耐えられないだろう。

「しかもいろいろ遠回りしてるうちに昼近くなってるしな…。」

「あンがい、りょうのまえでまってたほォがはやくあえたりして。」

「あり得る…。」

しかしながらじっとどこかで待つということが苦手な少年は、特に考えがあるわけでもなく歩き出した。そして学生寮の建ち並ぶ静かな通りを抜けて大通りに出たところで、意外な出会いがあった。

「あらほんと、ちっちゃいわ。」

意外なものを見たような表情の中に、ほんのり可愛らしいものを愛でるような穏やかな色を織り交ぜた結標淡希。

「見間違いじゃないですよね…。」

いつもは涼やかな表情がきょとんとしたものに変わっていて、幾らか幼く見える海原光貴。

彼らは結標が手ぶら、海原の方が女性物ブランドのショップバッグをいくつも持っている状態であったから、所謂「女性の買い物に付き合わされている男性」の構図にあることが一目で知れた。以前2人でいたのを見かけたときも今回も付き合っているという雰囲気ではなかったから、どうして海原がそのような憂き目に遭っているのかいまいち理解できなかったけれど。



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