過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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352: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/01/11(土) 17:15:27.15 ID:hPqAd4BYo

上条から「インデックスと一方通行がお互いの持てる知識を交換し合っていることがある」と聞かされていた男は、てっきり彼女が魔導書がどういったものなのかという知識も授けられているものだと思っていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。彼女がインデックスの話したことを忘れていたとも思えないから、聞いていないのは確かなのだろう。
或いは好奇心が強くて一旦のめり込むと自身の危険を顧みないようなところのある一方通行を気遣って、インデックスは敢えてそういった情報を与えていないのかもしれないな、と男は勝手に推察した。
心優しいシスターで在り続けるのは結構なことだが、この女に対してはそんな気遣いも意味がない。無茶するなと言えば言うだけ無茶をするし、どこぞの学園都市理事長が仕組まなくたってこうやって勝手に危なっかしいことに近寄っていく。もう、そういう風に生まれついている。
人間というのは、こんな科学の街の中ですら、そんな得体の知れない業に振り回されて死んでいくものだ。この女の場合は、その業に引き摺られて死に急いでいるところを必死に現し世に引き留めようとする人間が、それこそごまんといるわけだが。

「大分薄めてあるもんだから、命に関わるレベルじゃない筈だが。それでも睡眠と食事は十分に摂れよ。」

男の言うことは珍しく嘘ではなかった。原典のような濃いものならともかく、薄めに薄めた偽典が持つ魔術的な毒など、健康的な生活をしていれば十分回復する程度のものである。この女が男の忠告を素直に聞くとも思えなかったが。
結局、それだけ言うと男は部屋を出て行った。



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