過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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414: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 13:12:17.99 ID:rMwp2u+So

部屋を出て直ぐに家に帰る気にもなれなかった男は、冷たい風に晒されるのも厭わずたまたま通りがかりに見つけたベンチに座り込んだ。振られる以前に最初っから負けていた試合ではあるが、こんな臍曲がりの男であっても失恋というのは堪えるものなんだなぁ、と他人ごとのように思う。
最初っから成就なんてすることはないと分かっていた。ショックなのは振られたことではなく、置いて行かれたことだ。異性として求められることはなくとも、同じ穴の狢として慰めあうことぐらいはできると思っていた。彼女はいつの間にやら、そんなものも必要としないほどずっと向こうを歩いていた。

(たまには感傷に浸るのも悪くないけど、)

(やることはやんないと、)

そもそも今の目的は恋愛の成就ではなく、能力使用もままならず得体の知れぬ不調に悩まされて死の淵に近づいている彼女を無事に本来の環境に戻すことである。
しかし彼女は彼の助けを必要としないらしい。恐らく既に、彼女は解決のための道筋を見付けているのだろう。だけれど道を知っていたとしても、あの状態ではその道を辿ることすら容易でない筈だ。



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