過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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442: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/08(土) 17:58:38.23 ID:Y0Pycakzo

かしゃん、

硝子が澄んだ音を響かせて崩れた後に見えたものは、窓の外から見えていたものとまるで違っていた。

「何だこれ、」

窓の外から見えていたのは、何もない空き部屋であった筈なのに、実際部屋に入り込んでみると、狭い部屋は本棚で埋め尽くされていた。光学系の偽装を可能とする能力者の仕業だろうか、だけれども彼にとってそんなことはどうでもいいことで、一番肝心なのはその部屋の隅っこにこんもりと作られていた毛布の山である。

「百合子、」

その中身を確かめるよりも先に、彼は慌てた様子で名を呼びかけた。中身を確かめるまでもなく、彼にはその正体が自身の宝物であることが分かったのだろう。

「大丈夫か。」

咄嗟にめくり上げた毛布の端から、酷く青白い顔が覗いた。寝ているというよりも気を失っているといった方が当たっているような状態で、息はしているが酷くか細い。元から低い体温は、人形か何かかと思うほどに冷え切っていた。



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